こんぷちわ(挨拶)
ぷち68Kです。
当サイトでは、ゲーム歴だけは長いワタクシぷち68Kが是非一人でも多くの方々にプレイしてもらいたい!と思っているゲームタイトルを不定期に紹介させていただきます。
第一回目は、今はSwitchとSteamでプレイできる往年の名作
「シンフォニック=レイン」
をご紹介いたします。

シンフォニック=レインとは
この作品、初出は2004年のPC版で、この記事を書いている2025年現在からはなんと21年も前に出たタイトルです。
音楽は当時数多くのアニソンを手掛け、同年夭逝された岡崎律子さんの楽曲が散りばめられており、事実上の遺作ともいえる作品です。
が、当時はまだ現在ほど活況ではなかったPC版でしかプレイすることができず、2017年にSteam版が、2018年にSwitch版が配信開始されてから再注目された異例のタイトルでもあります。
前置きが長くなりましたが、本作はいわゆるアドベンチャーゲームに分類され、物語の要所要所で提示される選択肢を選んだり、ポイントごとで挑むことになるミュージックパート(いわゆる音ゲーのようなものです)の結果によってストーリー展開が変わるものになっています。
物語は常に雨が降り続ける街・ピオーヴァで音楽学校に通い、魔力を込めることで演奏ができる架空の楽器・フォルテールを演奏する主人公・クリスが、卒業間近に故郷に残してきた幼馴染の恋人を想いながら、卒業試験のパートナー候補の3人のヒロインの間で揺れ動く心模様が描かれています。
幼馴染で恋人であるアリエッタの双子の妹・トルティニタ

元生徒会長でおしとやかなファルシータ

おとなしくていつも一人でいるリセルシア

彼女たちが本作のメインヒロインです。
また、主人公にしか見えない同居人の音の妖精・フォーニがいつも主人公の世話を焼いてくれます。

本当に簡単な説明
本作の基本的な動きは、卒業試験に向けて学園内を動き回ったり、

選択肢を選んで次の展開を選んだり、ポイントでプレイすることになるミュージックパートを繰り返すことが基本になります。

主人公・クリスは卒業試験のパートナーに誰を選び、どんな結末を迎えるのか?
…というのが本作の大きな流れです。
これだけだと、数あまたある普通のアドベンチャーゲームにしか聞こえませんし、実際ゲームシステムとしてはミュージックパートがある(苦手な人はオートプレイで飛ばすこともできます)くらいで斬新なところはありません。


ですが、ワタクシ個人の思い入れもさることながら、Steam版のレビュー・評価を見ると記事を書いている現時点で756人もの人から「圧倒的に好評」を得ています。
何故なのか?
そこについてちょっと深堀りしていきます。
「後悔」と「赦し」
本作がこれほどの高い評価を得る理由として、プレイ経験者からは「高いシナリオの完成度」がよく挙げられているようです。
序盤でも説明しましたが、卒業試験に向けて主人公・クリスの前には3人のヒロインが現れます。普通に考えれば「ヒロインを攻略するギャルゲー」かと錯覚しますが、本作のヒロインはそれぞれに謎や闇を抱えています。
リセルシアはいつも誰もいない旧校舎で一人歌っていて、学生が集まるサロンのような場所では皆から避けられており、

ファルシータは誰からも好かれる完璧超人のような人物なのに、普段はバイト三昧だったりプロになることに焦りを感じていたり、

トルティニタは遠くに住む主人公の恋人である姉に気を遣いながらも、主人公への秘めた想いが見え隠れしたり、

シナリオを読み進めるごとに「ただヒロインと仲良くなればいいのか?」「そもそもヒロインとこの主人公・クリスは仲良くなろうとしているのか?」という疑問がプレイヤーに生じ始めます。
それは、遠い故郷に残してきて、今は毎週の文通でのみやり取りしている恋人のアリエッタの存在が大きいからです。

主人公・クリスがヒロインの誰かと仲良くなり、親密になることはすなわち恋人であるアリエッタを裏切ることになる。
しかし、卒業試験のためのパートナーは必要で、候補となるヒロインは少なからず主人公に好意を寄せてくれている。
先ほど出てきたミュージックパートでは、各ヒロインごとにボーカル曲が入るのですが、それのすべてが恋への希望だったり、私を愛してほしいだったり、この想いが届かないのならだったりとそれぞれの揺れ動く心模様を表しています。
どのヒロインとの結末を迎えても、そこには必ず「後悔」が残ります。



しかし、これだけだとただの後味が悪いゲームになってしまい、圧倒的な好評にはおそらくつながりません。
実は、ヒロイン3人のエピソードをクリアした後、ふたつのエピソード「al fine」「da capo」が解禁されます。
al fineは「トルティニタから見た視点」でこの話を追いかけるもので、これまで回収されていなかったと思っていた伏線のネタバラシとなり、



迎えた結末の裏側を知ることができます。
そして、al fineでトゥルーエンドを迎えた後に、da capoをプレイすると、序盤に新しい選択肢が出てきます。
その選択肢を選ぶと、今度は今まで世話を焼いてくれていた謎の存在である音の妖精・フォーニとのエピソードが繰り広げられます。

フォーニはなぜ自分にしか見えないのか?
フォーニはどこから来て、どこへ行くのか?
フォーニは自分が卒業してこの街を去ったらどうするのか?
その謎がすべて解けたとき、物語は感動のグランドフィナーレを迎えます。

ここまで心を揺れ動かしながら、たくさんの後悔の念を抱いていたプレイヤーが、すべてを知ることで「赦し」を得る。
この作品は、「後悔」と「赦し」のゲームだと思っています。
まとめとして
本作は、よくあるマルチヒロインでヒロインごとにそれぞれ結末があり、そこで完結するタイプではなく、様々な視点で様々な結末を知り、最後にすべてわかった時点で完結し、ようやくホロッとできる物語です。
簡単に言うと5つのエピソードを完走する事で完結する物語なので、通しでプレイするとそれなりの長丁場になります。
ただ、リセルシアのエピソードだけ他との関りがほとんどないですが、ファルシータのエピソードのあのシーンはトルティニタの視点で見るとこういう事だったのか、という新たな発見があったり、あの時のあの人の涙の理由は視点を変えるだけでここまで意味合いが変わってくるのか、といった「解釈の書き直し」が生じたり、全編を通してプレイしないと理解できないエピソードや、エピソード間をまたいだ伏線などがあるので、是非とも投げ出さずに最後まで腰を据えてプレイしてほしい作品ではあります。
また、ミュージックパートの楽曲の歌詞にも注目し、 内容を考察してみると各ヒロインの人物像や想いがより深く紐解くこともできるので、隅々まで味わってほしいと思っています。
最後にアドバイスとして
本作はイタリアをイメージとしたと思われ、登場人物の人名などもイタリア語から取られていたりしています。
(例えば、クリスマスのことをイタリア風に「ナターレ」というなど)
ファルシータのエンディングを見た後に、「ファルシータ(Falsita)」をイタリア語翻訳にかけてみてください。
鳥肌が立ちます。
(ネタバレにもつながるので、未プレイでの翻訳は絶対におススメしません)
また、本作には推奨された「エピソードのクリアの順番」があります。
この流れでエピソードを進めていくとより話が深く理解できますよ、というものです。
ご紹介しますと、
- リセルシアのエピソードをクリアした後、
- ファルシータのエピソードをクリアし、
- 最後にトルティニタのエピソードをクリアした後に
- al fineでトルティニタ視点からネタバラシを見て、
- 最後にda capoでフォーニのエピソードをクリアする
この順番です。
絶対ではないのですが、ワタクシもこの順番でクリアしました。
話の流れも追いやすいので、できるだけこの順番でのプレイをおススメします。
胸が痛くなる展開が続くものの、すべてが分かった上でグランドフィナーレを迎えるとホロリとできる、じっくりプレイしてほしい名作です。
旧作の割には結構高いので手は出しづらいんですけどね…。

ぜひ、雨の街でお会いしましょう。
それではまた、次のゲームで。